♪明日がちょっと良くなる♪かもしれないブログ
マッサージの圧は強ければ良い?

たまにいただくご質問ですが、
マッサージや指圧を受けるときに「強ければ効いている」と思われる方がいらっしゃいます。
必ずしもそうとは限りません。
結論から言うと、強すぎる刺激はおすすめしません。
感覚が鈍くなると痛みにも鈍感になります。
身体は外からの刺激に対して「守ろう」と反応するため、筋肉は緊張し、その結果さらに体が硬くなってしまいます。気づかないうちに骨や筋肉に大きなダメージが蓄積することもあります。
私が実際に見てきた「あるある」の事例としては、
・マッサージへの依存
・痛みに鈍感になる
といったことが挙げられます。
私たちの体には「感覚閾値(かんかくいきち)」というものがあります。
これは、変化を感じ取るには一定の割合以上の刺激が必要になるという法則で、「ウェーバー・フェヒナーの法則」と呼ばれています。
例えば――
• 100gのおもりを手にのせる
• 少しずつ重さを増やしていくと、110gくらいで「重くなった」と感じる
👉 このとき10gの差で気づいたことになります。
では1000gのおもりならどうでしょう?
1010gでは変化を感じず、1100gくらいになってようやく「重い」と感じます。
つまり、最初に持った重さに対して約10%増えたときに変化を感じるということです。
この法則を「おもり」を「刺激の強さ」に置き換えると、最初の刺激が強いほど感覚は鈍くなるということになります。
さらに皮肉なことに、強い刺激を受けた筋肉は抵抗するために硬くなり、負のスパイラルに陥ります。
もちろん「好み」として強揉みが好きなのは悪いことではありません。
ただし、結果的に体の感覚を鈍らせてしまうことを知っておいていただきたいのです。
強揉みで一時的に「すっきりした!」と感じるのは、
"広汎性侵害抑制調節(こうはんせいしんがいよくせいちょうせつ)"という仕組みが働くためだといわれています。
人間はストレスを「痛み」または「かゆみ」といった感覚でしかごまかせないともいわれます。
つまり「より強い新しい刺激で、もとの痛み(ストレス)を打ち消す」作用が働き、体が一時的にリセットされたように感じるだけで、根本的な解決にはなっていないのです。
私はお客様からの「もっと強く」というご要望には、ある程度お応えするようにしています。
ただし、リラックスしている場合は呼吸が深くなりますが、呼吸が止まっていたり、指を押し返すような反応があるときは、お互いのためによくないので無理に強い圧はかけていません。
また、通常の圧で頻度高く受けていただくのは良いことですが、強圧で頻繁に受けられる場合はお断りすることもあります。
すでに感覚が鈍くなっている方には、しばらく施術をお休みいただき、ストレッチや入浴など、別の方法でご自身の体の感覚を取り戻すことも大切かもしれません。
またご自身のお体を守るためにも、適切な刺激とバランスを大切にしていただければと思います。
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